2011年02月26日

3日目D「オーロラ観測連合軍総司令官陸軍元帥に昇格しました」


 
19:30に部屋でオーロラ観測の準備をした。部屋の外の温度計は-22℃。ロヴァニエミより相当寒い。いや、もう寒いの基準超えてるからどこだって一緒。この鼻毛の感覚を是非味わってほしい。多分夜のうちにもっと気温は下がるだろう。


とにかく沢山着込んで、貼るホッカイロを適当に貼り、雪用のブーツに履き替えて準備万端。もう無敵だと思ってた。あの白いタイヤみたいなキャラクターに負けないくらい着膨れてた。ちょっとポーズとか決めたりした。きもかった。


デジカメやiPodも故障しないようにジップロックにいれてポーターの鞄へしまった。これだけで随分故障しなくて済むらしい。当たり前だけど、携帯は必要ないから置いて行く。それが嬉しかったのを覚えてる。



20:00、外はやっぱり寒い!だが無敵の着膨れの僕には効かない!汗だってかいちゃうぜ!と、本館にある椅子付きのソリを借りて元気に山へ登り、平らな場所にソリを停めて、ジッと座ってオーロラを待つ。そして密かに最初に流す音楽は決めていた。Going Steady/銀河鉄道の夜を丁度いい音量で流した。何回も聴きたいからという理由で初めて学校を遅刻した曲。夜が心地よくなった曲。どうしてもこの曲から始めたかった。「日々ひび割れ柿の実、夕焼けて夜は来た。空、水色、オーロラ、ハチミツに濡れた月」この歌詞に出てくるオーロラというのは夕焼けが夜に変わる瞬間のグラデーションを現していている、毎日はこんなにも美しいのだと教えてくれる。今の僕の見たい本物のオーロラは一体どれだけ美しいのだろうか。こうして本当にオーロラ観測は始まった。


空を見る。空を見るのは慣れている。適当な事ばかり考える。
その時は旅について考えた。今日は迷子になって危なかったなぁとか。反省した。誰に謝るとかではないのだけれど。あんなに人に助けてもらって申し訳なかった。

この旅って元気に日本に帰れてこそ旅と言えると思うのだ。行って死んだら旅じゃない。どうやって行くのか、だけじゃ全然足りない。どうやったら無事に「ただいま」と言えるのかまで集中して計画を立てるべきだった。もっと下調べする事は出来たはず。これは仕事でもなんでもそうだと思う。とにかく無理はしないように体調管理もしっかりしなければ。


そんな事を思っていたら、僕の頭上にはたくさんの流れ星が流れてた。もうほんと流れ過ぎてた。願い事どころか、自分がどう生きてどう死ぬかまで言えそうだった。この辺は流れ星がたくさん流れるんだな!と解釈した。ただ、日本で一度だけ見た端から端までの流れ星に比べたらこんなもん。と張り合ってみた。

今は流れ星はどうでもよかった。観測し始めて一時間、まだオーロラは現れず。月が出ているからだろうか。少し空が明るい。


二時間経って、やっぱりとんでもなく寒くなってきた。もう頭が割れそうだった。ひざ、頭、手足の指先がとんでもなく痛かった。ホッカイロが足りなかったか。せっかくあんなに米俵のように持ってきたんだから、鎖かたびらのようにつけてこれば良かった。それに、服をギュウギュウに着ても良くないって事が分かった。ダウンジャケットの中に少し空間を与えないと熱が循環しないのだ。多分手袋もスキー用ではなく、靴用カイロを仕込んだふんわりしたニット手袋の方がマシなんだと思う。次はそうしようと決めた。


とにかく今はどうしようもなく寒い。頭が狂ってくる。このままでは凍死してしまう。そこでどうしたかというと「暴れる」という頭が狂ってる行動に出た。

くるりのLiveアルバムの「ブレーメン」のバイオリンの音が僕を狂った指揮者に変えた。曲にあわせてエアータクトを振る。飛ぶ。踊る。誰も見てない場所で命の危機に達すると人は暴れる。絶対に誰にも見られる訳にもいかない踊りだった。もしも見られたらキャーキャー言って流れ星にように逃げるだろう。

好きな音は脳まで引っ張って中から暖かくする。これでしばらく安心だと思って空を見つめた。ほんとiPod持ってきて良かった。音があるだけで幸せだ。



23:30、空が曇ってきた。晴れて無ければオーロラは出ない。さらにもう3時間以上冷凍庫に入ってるような状況なので、心は元気でも体が限界がきていたので一度部屋に戻って晴れるのを待つ事にした。ソリで山を下りて、部屋に入ると、そこはもう天国だった。しばらく暖かいのか分からないほど自分は凍っていた。


部屋には電気ケトルがあったので、日本から持ってきたインスタント味噌汁をサーリセルカで買ったククサにいれて飲んだ。これまでの旅で一番美味しく感じた。やっぱり生きてる最後に飲みたいものは味噌汁がいい。別にビールでもよい!

しかしククサっていつまで経ってもククサの匂いがするし、洗っても洗っても油が出てくる。変わった木だなぁと思った。

シャワーを浴びて、しばらく窓の外を見たり、DSゲームをして過ごし、晴れる事もなく雪が降ってきたので今夜は寝る事にした。長い一日が終わった。どっぷり生きた。明日は少し見る場所も変えてみようと思いながら電気を消した。


  

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2011年02月17日

3日目C「笑わせたい女がいるんだ」




18:00にようやくキーロパーの宿泊施設に到着した。三時間の遅刻だがこれだけで済んでよかった。色んな人の助けが無かったら僕は今頃人間シャーベットになってた。人はとても優しい。

受付のおばちゃんに遅刻した事を平謝りし、手続きをちょちょいと済ませ、部屋の鍵をもらった。おばちゃんはとても無愛想で決して笑顔を見せない。でも悪い人ではなさそうで。僕は帰るまでに自分のお尻を見せてでもおばちゃんの乳を触ってでもこの人の笑顔を見ようと心に決めた。

僕の部屋は本館から80mくらい離れたB棟。この棟はおそらく宿泊部屋しかないので、食事やサウナに行く為には本館まで氷点下の中歩かなければならない。これは最初辛かったけど、すぐに慣れた。ソリなら一瞬でつく。街のホテルより全然安いし贅沢は言えない。

僕の部屋があるのはB棟で一泊70ユーロで朝食つき。後で知ったのが悔しいのだが、A棟は相部屋だけど30ユーロくらいだったような気がする。激安。さらにそこは共用キッチンもついてて自炊が出来る。もし予約状況が空いてれば四人部屋を一人で使えるらしいので今思えばこっちにしとけば良かったと思う。もし相部屋になっても多分あそこに悪い人はいない。受付のおばちゃん以外は皆陽気で優しかったのだ。とにかくここは色んなニーズに合わせて部屋を選べる。ちょっと遠いけど家みたいな小屋も一軒まるまる借りれるっぽいし。

オーロラ目的だけの人はホントここはオススメなので是非。多分あの辺でああいう施設はあそこだけだと思う。日本語じゃないけど「ここから」予約できますよ。僕はこっから辞書片手にメールでやりとりして予約しました。もうほんと受験より辛かった。

五カ国語翻訳されてるけど、日本人は来なさすぎてまだ日本語は訳してくれないのでしょう。受付のおばちゃんに前日本人が来たのはいつかと尋ねたら二年前と言っていたし。それは言い過ぎとは思ったけどあまり来ないのは確からしい。

部屋に行ってみると、トイレ、シャワー付きのすんげえ暖かくて良い部屋だった。安いからってなめてた。建物自体可愛いくてしょうがない。その時の僕はどこ見てもキャーキャー言ってた。キャートイレ!キャーシャワー!キャー僕の尻!とにかく本館も立派な建築っぷりで、とても満足だった。





ちょっと持ち上げすぎてる気がするが、本当に良い所だったのだ。バスでサーリセルカまで行けば毎日営業のスーパーで何でも揃うし、きっと夏は景色も最高だと思う。

試しに共用サウナへ行って、ひょいと覗いてみたら、フルチンの外人に「ヘロウ♪」と言われたので無視して扉を閉めた。やっぱり外人だろうがチンコはチンコだ。世界中の半分はチンコだ。


チンコはさておき、ハードスケジュールで気がつけばお腹がすいていたので本館にある食堂で夕飯を食べる事にした。夕飯は20時くらいまでだったと思う。何と価格はバイキング形式で18ユーロ。これはさすがに高い。キッチンさえあれば。しかし18ユーロも払うのだからきっと美味しいに違いないとドンと支払った。





とっても美味しそう!しかしながらクソまずかった。まずいというか元々味覚が違うのかもしれない。米は何の味もしないドロドロのお粥で、なんと言えばいいのか、山芋のような。周りを見てみると、そのお粥にジャムを混ぜてる人もいれば、変わった味のビーフシチューのような物につけて食べている人もいる。これには衝撃だった。あの米はとても食べれた物ではない。なので他の米系を探すとピラフがあった。これはこれでパサパサし過ぎてて悲しくなった。しかしパンは裏切らないので。ソーセージと一緒に食べた。

何とも心残りのある食事を済ませ、いよいよ本格的なオーロラ観測が始まる。

とりあえず観測に行く前に、受付のおばちゃんに此処で見られるオーロラの出現頻度はどれくらいかと訪ねると「調子のいい時は3日に1回」みたいな事を言っていた。僕は震えた。本当に凄い所にきたと思った。ここで僕は六泊する。その間にオーロラを見る事が出来るだろうか。そんな事を考えた。いや、もうサブタイトルでネタバレしてるから、見れんかったけどね!もー!





やっと。やっと次はオーロラ観測の話が書ける。なげえ。しかし1日の事を1記事に書くと物凄い事になってしまうので、これからもこんな感じでいいでしょうかね。言い訳がましいですが、こちらの旅日記は文章を考えるとかではなく、記憶で手を勝手に動かしているので本当に雑な文章で申し訳ないです。

あっ!ちなみに「オーロラの汁」っていうのはオーロラソースの事ですよ。今思いついたよ。







  

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2011年02月04日

3日目B 「サーリセルカと迷子と置いてけぼり」


14:30にパブを出て、宿泊施設を探す。
雪が積もっていて、うまくトランクは動かず、引きずって歩いた。
靴も雪用ブーツではなくコンバースのスニーカーを履いている為、尋常じゃなく指先が痛かった。

どうせすぐ着くのだから大丈夫。そんな事を考えて歩いてみたけれど、全く見つからなかった。段々日も暮れてきたし、このままでは寒さで死んでしまうと思って、その辺を歩く人たちに尋ねてみたけれど、観光客ばかりで結局分からなかった。

雪も吹雪いてきて、これは参ったなーと思いながらこっそり立ち小便をしていたら、知らないおばちゃんが猛スピードで近づいてきた。やべーやべーと本気で小便を止めて縮こまったチンチンをしまった。

おばちゃんが「ペラペ〜ラ!」と言ってきた。全然意味分からないので「From here?」と尋ねると「Yes!ペラペーラ!ペラペラペラペラペラペラ!ウアアアアアアイ!」とか超意味分からない事言ってるのでGoogle mapの地図を見せてみると、確かに目的地はここらしい。念のため宿泊施設Kiilopääの資料を見せてみると、全然ショックな答えが返ってきた。

「faraway!!!」僕は生まれて初めてfarawayって言われた。つまりめっちゃ遠くらしい。話してみるとどうやらあの時バスが最初に停まった場所がやはり宿泊施設がある場所だったのだ。Google mapにしっかりと住所で検索したのに、さすがのGoogleさんも、とてつもなく田舎になるとかなりポイントがずれるみたいだ。

どうしようかと思っていたら、おばちゃんが「貸しなさいよ!」みたいな事を言って宿泊施設の資料に書かれてる電話番号に電話していた。やはり携帯はNOKIA。そしてフィンランドの言葉で、憶測だけど「今アンタんとこの施設に泊まりたい人が道に迷ってるわよ!バカよ!ここはサーリセルカよ!バカよ!取りあえず私がこのバカを案内するわ任せて!」みたいな事を言ってた。

ついてこい!と言うので僕は必死におばちゃんについて行った。この雪でスニーカーでクソ重たいトランクだというのにおばちゃんの速さったら。僕は必死に追いかけた。

するとバス停に着いた。どうやらこのバスに乗ればKiilopääへ戻れるらしい。発車時刻は16:15。今は15:00。するとおばちゃんが「そこのホテルは喫茶店もあるから珈琲でも飲むといいわ」というのでそうする事にした。もうヘトヘトだった。30分しか歩いてないのにこの-20℃の寒さが僕の体力を相当奪っていた。あとおばさんのスピードのせい。おばちゃんに丁寧にお礼を言って、またホッカイロをあげた。とりあえずホテルの喫茶店に向かった。



ホテルに着いて珈琲を注文し、休憩しながら3日間を振り返っていた。なんて濃い3日間だったろうと。そして自分の無計画さに呆れた。やっぱ適当はよくない。全然分からない。まず言葉がわからない。絶対帰り道も何かある。そんな心配を感じた。それでも僕はとても楽しかった。面白い!そう思ってた。

バスが来るまでまだ時間があるので近くでお土産を買いに行く事にした。まずはマリメッコ。日本にもマリメッコはあるけれど、多分ここの方が品揃えがあるのだろう。とりあえずちょいちょい買っておいた。そんなに買っていないのに98ユーロ。すんげえ高い。やっぱ値段は見るべきだった。



次は隣の雑貨屋。なんて可愛い外観でしょう。中もとても可愛い商品ばかりで心をワクワクさせた。北欧のおもちゃとかってなんか角が無くって温かい。気がつけば色んな物を買ってしまっていた。ククサという木をくりぬいたカップも二つ買った
。裏におばあちゃんが熱で焦がして僕の名前を書いてくれた。さらにオマケの人形もくれた。これだけ買って70ユーロ。安い。マリメッコめ。



16:00になったので少し早いけど、もう一度バス停へ向かう事に。
僕は寒さを我慢し、バスを待った。
時間の16:15が過ぎた。まだバスは来ない。すると僕の後ろに夫婦が並んだ。あー少しくらい遅れるバスなのか。そう思った。

16:30が過ぎた。まだバスは来ない、訳があるか!寒いわ!もう我慢出来ないと思って後ろの夫婦に「これってキーロパー行くの?」と聞いた。すると大竹まことみたいな恐い顔の紳士が「ちょっと来い!」と言って歩き出す。なんだなんだと思って大竹の後をついていくと、そこには「SKI BUS」と書かれたもう一つのバス停があった。「お前が待つべきバス停はここだ!ていうか先の16:15のバスが最終だ!マジお前バカ!」みたいな事を言ってきた。

そういえば16:15、僕の前をバスがすごい勢いで通っていったのを覚えている。思わず「ええええええええええええ!あのクソババアアアア!」と叫んだが大竹は顔色一つ変えない。おばちゃんはバス停を間違えたのだ。可愛いことしてくれるじゃねえか。帰り道も何かあるだろうなぁと心配していたが、まさかこんなにすぐ間違えるとは思わなかった。とにかく、ここにいてもバスはもう来ないので、大竹にお礼を言ってホッカイロを渡し、さっき珈琲を飲んだHolidayHotelへ戻ってタクシーを呼んでもらう事にした。もうこれしか方法は無い。

しばらくしてタクシーというか、マイクロバスみたいなタクシーが到着。おそらくスキー板も簡単に積めるようにこんなにデカイタクシーなのだろう。運転手に行き先を伝え、今度こそキーロパーへ向かった。やはり窓ガラスは割れていた。

そして、18時、昼に着くはずのキーロパーへついに到着。長かった。なんとサーリセルカからタクシーで34ユーロ。もしスキーバスに乗れていたら3.2ユーロ。僕は両替した10万円は速攻無くなる、そう確信した。


  

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2011年01月20日

3日目A 「ホッペの垂れたマダムとキーロパーへ出発」


朝は8:00のバスに乗る為に5:00に起きた。
身支度をして「来たときよりも美しく」の精神で一生懸命お世話になった部屋を掃除した。
結局来た時よりは汚かったと思う。

6:30に朝食を食べ、ホテルの方に「キートス」とお礼を言い、満面の笑みで見送ってくれた。そのままタクシーで前日下調べしておいたバスターミナルへ向かった。

そこにはバス停がいくつもあってどこに待ってればいいのか分からなかった。そこにいかにもスキーへ行きますみたいな格好をしたホッペの垂れた眼鏡のおばさんがバスを待ってたので「キーロパーはどれに乗ればいいの」と日本語で聞いたら「ここでいいわよ。私も同じ方向よ」みたいな事を言ってきたので喋りながら一緒に待つ事にした。全然言ってる事分からないけど何となく分かるもんだなぁとちょっとコミュニケーションに自信がついた。

8:00にバスが来て僕とおばちゃんは乗り込んだ。キーロパー行きのチケットをそこで払い、レシートをもらった。バスのフロントガラスにはヒビが入っていた。この国の車はほとんどガラスにヒビが入ってる。もう買ったらすぐ割るのが常識だぜってくらい割れてる率が高い。単純に寒いからだろうか。別にどうでもよかった。

バスはずんずん北上して周りは雪と木しかない。そして10:00に休憩を挟んだ。
有料トイレ(1ユーロ)を済ませて軽くぶらついてみたらトナカイがいっぱいいた。
僕はトナカイを初めて見たかもしれない。こいつらがせっせとプレゼントを運んでると思うと不思議な気持ちだった。バスは再び動きだし、「もうすぐキーロパーよ」と眼鏡に言われた。

だがここでミスに気付いた。日本でgoogle mapで目的地を検索した地図のプリントをぼんやり見ていたら、どうやら目的地はキーロパーではなくてサーリセルカという事が分かった。何故なら地図の矢印がサーリセルカを指していたからだ。
という事はキーロパーって何だ?サーリセルカにもキーロパーがあるのか?よくある豊田市なのに名古屋○○みたいな建物の名前って事なのか?とよく分からなくなってきたが、とにかく運転手に僕はサーリセルカに行きたいと伝えねばならない。バスはキーロパーに着いてしまったが、やはりそこにはこれといった建物が見当たらなかった。そしてバスに一人の女の子が乗ってきた。

すると運転手が僕の方を見て「お前はここで降りるんだろ」みたいな事を言ってきたので「やっぱりサーリセルカまで行きたい」と日本語で言ったら案の定通じてはおらず、さっきの女の子と眼鏡と運転手が僕の目の前まできてゆっくり僕の言いたい事を理解しようとしてくれた。

女の子がまず分かってくれて、それを運転手に伝えてくれた。すると「チケッ!チケッ!」と運転手は言った。「にゃ?」と僕が聞き返すと「チ!ケッ!ト!」とゆっくり言ってくれた。しかしチケットと言われても僕にはこれしかないし‥と先のレシートを渡したらちょっと呆れて笑ってた。昨日食べた中華のレシートだったからだ。ごめーんと軽く平謝りをして先のレシートを渡したら「ノープロブレム」とすんなり手続きをしてくれた。差額分を支払い、目的地であるサーリセルカについた。眼鏡もここが目的地らしくさっさと出て行った。バスを降りる時にさっきの女の子が何か話しかけてきた。何を言ってるか分からなかったので、助けてもらったお礼に僕が握っていたホッカイロをあげた。何これって顔をしてたのでそれをホッペに当ててあげたら理解してくれてすごく喜んでいた。あれは恋が始まる流れだったと思う。

バスを降りた時間は13:00頃。泊まる場所のチェックインは15:00。まだまだ時間があったのでまずはこの辺の詳しい地図を貰おうと近くのパブに入った。ビールを注文してマスターに貰った周辺の地図と自分のgoogle mapの地図を照らし合わせてみると僕の目的地はこのパブの近くという事が分かり14:30までここで待つ事にした。

すごく雰囲気のいいパブでマスターがかっこいい。weezerのスコット・シュライナーに似ている。窓際には恐そうなヒゲモジャおじさん達がコインで何かゲームをしていた。おそらく何かの賭け事だと思う。僕の前には一人のアジア人がいた。日本人かと思って話しかけようとしたけれど、とても浮かない顔をしていたのでやめておいた。もうこんな生活嫌よみたいな顔をしてた。じゃあ帰れよ!って言いたかったがやめておいた。
しばらくしてそのアジア人の連れが来た。その瞬間の表情の変わり方ったら。無邪気な子供みたいにニパァ♪って笑うんだから。言葉を発して分かったがおそらく中国の方だと思う。話しかけなくてよかった。通じる訳がない。

そんな感じでキョロキョロしたり小説読んだりしてたらいつのまにか14:30になったので店を出た。そして地図を見ながらお世話になるロッジを探す事に。その時の僕はこの後とても苦労する事になるとは思ってはいなかった。













  

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2011年01月20日

更新忘れていました。

最近トイレでぼんやりしてた時、もう一度フィンランド行きたいなぁと思っていたら、この日記を序章を書いたままぽっかり忘れている事に気付きました。
確かにオーロラは見れませんでしたが、素晴らしい思い出になったので、とても今更ですが記憶を頼りにすこしづつ頑張ります。完成する頃には老人になっているかもしれません。

ではまた。  

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2009年02月19日

2日目 B「中村。木村。サンタ村。」


すんませんずいぶん更新遅れました!空飛んでました。ドギュア!


前回の続きでサンタ村へ向かうことに。ロヴァニエミの地図には端っこの方に「サンタ村へ」と書いてありましたので、近いかもと思って歩いて向かってみる。歩いてると車道も歩道も真っ白で、どこ歩けばいいか分からなかった。多分車道歩いてた。街を抜けて、大きい道路へ出る。真っ直ぐどこまでも続くような道。まさかあの向こうなのか?

いや、そんなことは無い。近いはずだ。そう思って歩いてると、美術館みたいな建物が。
地図をみると「アルクティクム博物館」だって。1995年にヨーロッパ最優秀博物館に選ばれたらしい。

まよって1時間くらい無駄にグルグルしてたので、寒さが辛かったので入ってみる。原住民のサーメ人の暮らしが勉強できるみたい。11ユーロくらいだったと思う。高いとは思うけど展示品が多すぎて多分しっかり見てると二時間は余裕に過ぎる。僕はささっと見て1時間くらいで出ました。
建物はモダンで仕掛けもいっぱいの流石最優秀な博物館でした。


さて外へ。もうね、もの凄く寒いのよ。この博物館の周りを探し続けたせいか、くじけたくなったのよ。サンタはどこ。なんかめっちゃビジネスしちゃってるサンタに会いに行って何になるんだろうか。そんな気もしてくるくらい寒かった。もっと勉強してくれば良かった。いやそもそもオーロラの為に来たんだから。サンタなんてただのめでたい紅白のおやじ。そんな知識でいいじゃない。

ひらめいた。どうせ近いんならタクシーで行けばいい!しかしタクシーをどう捕まえてやろう。
ひらめいた。ホテルに戻って呼んでもらえばいい!よし歩け!もう結構今日歩いてる。歩きづらい雪道を踏ん張って、割とすぐホテルへ。

フロントに「taxiiiiiii!」と叫び、まぁ通じたみたいなので、ロビーで待ってるとすぐに来ました。行き先を伝えタクシーは走りだす。走りだして五分。先見たデカイ道路をひたすら真っ直ぐ走る。あれ、意外に遠い。

まだ走る。結構遠い。結局15分走り続け、18ユーロかかりました。歩かなくてよかった。きっと泣いてた。バスで行けばよかったなぁと今は思う。きっと5ユーロ以下。まあとにかく到着です。

ロヴァニエミの街はラップランドの州都でありながらギリギリ北極圏では無くって、このサンタ村が北極圏の境になっています。
建物の中に入って北極圏に来た証明書みたいなのを買ったり、日本に葉書を送ってみたりしました。住所の書き方がよく分からなかったので隣にいたおばさんに聞いたら「オーNAGOYA!」と興奮してきただけでした。ちゃんと届きました。消印可愛い。

サンタはどこかなぁとフラフラしていると隣に日本語を話す夫婦が。ついに見つけた!と思いまして、話をしました。
サンタはどこかとか、フィンランドに仕事で三年住んでただとか、45歳だとか。

最初は仕事で何となく来て、三年住んでいる間にフィンランドの時間のゆっくりさにやられてしまって、ちょいちょい来てるらしく。
フィンランドに関してベテランだった。おかげでこの日以来時間を意識するようになった。確かに。誰を見ても空気を見てもゆっくりしてんの。夜が長いから落ち着くのだろか。

サンタのいる建物へ。待ち時間があるらしく順番待ちのカードを貰ってその間土産見て、時間にまた受付へ。
ドアが開く。ついにサンタのいる部屋へ‥と思ったら中で大行列。1時間くらい待ったかな。もう足は疲れきっててだるかったな。

そして本当に対面。サンタすんげぇ元気。椅子に座ろうとしたら「ヘイ!俺の椅子のひじ掛けに座れ!」と言われたので渋々ひじ掛けに座り、サンタと肩を組み合う感じに。散々質問されて握手いっぱいして。なんか笑顔になっちゃった。やっぱ誰でも笑顔にしちゃうんだろうな。後は物凄く悪い顔した小人が僕らを撮影。サンタとはさよならして写真を購入。25ユーロはしなかった気がする。A4サイズ1枚で買っちゃったので今見ると恥ずかしい。でかい。B6くらいのを5枚ってのもありましたよ。

帰りはバスが良かったけどまだこの時はバスの存在を知らなかったのでインフォメーションのおばさんにタクシーを呼んでもらった。呼ぶだけで3ユーロかかってしまった。

街へ戻って夕食。今日は祥龍(多分)というお店で中華を食べる事に。日本語メニューもあって嬉しかったです。野菜炒めと炒飯を注文。箸もあったし。僕は普段箸の持ち方がおかしいんだけど、ここでは何か他の客に箸の持ち方を見られるのでしっかり持った。米美味しかった。まだ二日目とは思えない程米を欲してました。ビールがうまかったや。

満腹になって、夜の九時くらい。それからはひたすら歩きました。外にいれば見られる気がして。街を抜けるとオウナス川という大きな川。水の方が温かいからだろうか。湯気が出ていて幻想的でした。ホントにあったけぇのかと思って手を入れてみたらやっぱり冷たかった。そのまま歩いてとても大きく綺麗な橋を渡ると一気に静寂。橋の向こう側は音は無いし、光も少ない。民家しかなくて、不審者みたいだったけど、一軒一軒見て歩きました。

ほとんどの家がカーテンを閉めていなくて、家族の風景がたくさん見れた。どこの家もまだツリーがあって、ロウソクを灯していて、絵本を読んでいたり走りまわっていたり。どの家にも幸せがある気がして、窓が映画のスクリーンのようでした。

僕は別に旅人という訳ではないけれど、こういう町並みやインテリアや家族の風景を見て、やっぱり「きれいだ。」と思う。でも当の本人たちはこんなきれいな町で当たり前に暮らしているから、きれいなとこだなんて思ってないかもしれない。だって「どこから来たの?」と言われて「日本」と答えると「素晴らしい国よね」みたいなやりとりが何度もあった。向こうの人も日本を美しいというのだ。僕は首かしげちゃった。もしも僕がバックパッカーで日本が汚くて退屈で世界中に飛び出しちゃったんだとしたら、この窓の向こうを見ていると、こっちの暮らしもしない日本でも暮らしたくない不思議な真ん中の気分だと思う。無いものねだりか。なんだろか。よくわかんないけどさ。大丈夫、僕は汚くても自分の国が大好きだと思うし。

三時間ほど歩いていたけどオーロラは現れずホテルへ帰る。先とは別の大きな橋から帰るとそっちまで行くと川が凍ってた。
明日は朝早く出発だからロヴァニエミとはお別れ。何度も立ち止まりながら帰りました。滑り台も滑ったりしました。寒い。

1時、歩き疲れてすぐに寝る。












  

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2009年02月04日

2日目A 「観光マン。教会にいる変なやつ。」


昨日の不安も一切飛び去り、元気に8:30起床。朝ご飯です。
バイキング形式みたいですね。パンとサラダとハムと‥よく分からないトロロみたいなやつと。色々ありました。変わったトースターの使い方を教えてくれたおばさんの皿にはありえない程のパンとたっぷりのよく分からないトロロ。食べ過ぎ。
普段僕はパン食べないので食ってる気がしなかったけどしっかり腹は膨らませました。トロロは食べなかった。

部屋に戻る。身支度をして10:30。僕は興奮していた。
何故ならずっと行こうと思っていた場所へ行くからだ。それはエヴァンゲリック・ルーセラン教会。もうね、ガイド本を見た時ビックリしたね。

「エヴァ‥!エヴァン‥!あ!エヴァンゲリ‥え?」ってなった。
二回くらいエヴァンゲリオン教会って読み間違えてた。

エヴァンゲリオンはキリストの話も結構関わっているし、エヴァの一体や二体くらいいるんんじゃないかって。ははん、僕は使徒ね。と、そん時はフィンランド気分というよりは使徒気分。

結構街の外れだったんだけど、寒くなかった。だって戦いが待ってるんだから。
それにしてもいい町。歩いてて気持ちがいい。まっちろけ。


見えた。見えたよエヴァンゲリック教会。さぁどんだけ近未来型なんでしょうか。あれ、何かとても綺麗な教会。しばらく見とれちゃった。中はエラい事になってんじゃないの?と扉を開ける。そこには受付でNOKIAの携帯をいじってるカッコいい青年が一人。
人の形をしている。君は僕と同じだね。そう思っていると。 「your from?」と聞かれ、僕は「japan‥」と答えると日本語の教会のパンフレットをくれた。入場無料でした。さぁ中へ。きっといるぞエヴァみたいなやつ‥ 変なのいた!



変なのはいました。でも中も綺麗でした。壁には16枚絵が描いてあって、立派なパイプオルガン。僕しかいなかったからとても静かで足音が響く。しばらく座って、青年にお礼を言って外へ出ました。立派でした。



次に目指すのはロヴァニエミ美術館。町へ戻る間にあるから行きやすい。と思ったら道を間違えて、すっとばして町に戻ってしまい、昨日のマクドナルドについてしまった。

参ったなぁと思ったら、寒くなってきたので近くの土産屋に避難。やっぱ売ってる物はなんでも可愛い。ついでにちょっと買っちゃえと思って、コースターとかキーホルダーとかポーチとか、色々買ってしまった。

この土産屋はどうやらSCANDIC HOTELの中にあるみたいで、ロビーへ行ったら無料のインターネットが置いてあった。僕の泊まってるクルムスは無いからちょっと口笛を吹きながらナチュラルに借りちゃって(多分宿泊客だけ使える)日本にメールしてみた。




地図を見直してもう一度美術館へ。歩いてる途中やたらグラフィティが描いてある。名古屋のとは少し違う気がした。落書きとは言えない感じ。
美術館へは簡単に着いた。レンガでできたバスの車庫をいじって造られたらしい。しっぶい外観でした!



中は外観とは逆にシンプル。中にはセバスチャンって呼びたいくらい紳士な人とメタリカのTシャツを着た大柄なスキンヘッドの人が受付にいた。セバスチャンがいなかったら引き返してた。4ユーロ払って中へ。
今回の作品は3人の現代アーティストの紹介。可愛らしいけどよく分かんなかった。ドツボに来る物来ない物は人それぞれ違うと思うから。ただそこいらに置いてある椅子や階段が綺麗だなと思った。テーブルなんて3分くらい見つめてしまった。
一応お土産に握るとギュッギュッて雪の音がするボールを買った。2つ。何で買ったのかはよく分からない。1個7ユーロした。100個買ってたら雪合戦できたのに。



地図を観るとバスターミナルが近い事が分かって、明日キーロパーを目指すので詳しく調べる為にバスターミナルへ行く事に。
近いって思い歩いていたら見つからなくて、通り越してロヴァニエミ駅に着いてしまった。これは多分寝台列車に乗る時の駅だろうと思った。一応切符売り場の人にバス停と時刻を教えてもらった。あんまり意味分からなかったけど、バス停通ったハズなのに無かったのはバスターミナルは「LINJA-AUTOASEMA」と言う看板らしい。分からん訳だ。駅の人はバスはイヴァロ行きのバス停に朝8:00だと言った。ん?早くない?他に無いの?と思ったけど、電車に乗る場所でバスに乗りたいという言葉の通じない日本人を相手にしたしかめ面のおばちゃんにはもう何も聞けなかった。

駅にマンソンにそっくりな目が点のもう完全に悪魔に魂売っちゃってる人がいた。すごい奇抜な格好だったけど靴は雪用ブーツ。分かるよその気持ち。気になったけど、もう一回戻ってバスターミナルへ行く事に。

あったあった。でかいくせに。BUSって書いてほしいわ。中にいるおばちゃんにまた時刻を聞くとやっぱり8:00に乗って11:55にキーロパー着のやつしかないみたい。チェックインは14:00くらいだろうけどまぁ仕方ないかと思ってお礼を言って外へ出る。

時刻はまだ14:00くらい。今日でロヴァニエミも最後だからあいつに会いにいこうと思って。サンタ村にいるサンタクロースに。おっさん1人で。さぁどこだあいつは。ぶん殴ってやるんだから!

5年生の時、父に「もう分かるだろう?」と言われるまで信じていたサンタ。うすうす気付いてはいたけど、内心「えぇ?いないの?」とビックリして悲しくて仕方ない気持ちを抑え「分かるよ。じゃぁお父さん。ウォークマン頂戴」と答えたあの屈辱。ようやくあいつと過去の清算ができる。

場所はよく分からなかったけど地図の隅っこに「サンタ村へ」と書かれていた。この時はサンタ村まで歩いていける、そう信じていた。出発。寒い!
  

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2009年02月01日

1日目B 「到着。ロヴァニエミマン。」



空港を出ると、すぐ分かった。寒い!ていうか雪がもう、名づけるならユッキー。
鼻から息を吸うと鼻毛が凍るのか、すっげぇ気になる。鼻毛がこんなにアピールしてきたのは生まれて初めてだ。俺鼻毛!俺も鼻毛!そんな可愛い鼻毛たち。頑張れ。

とりあえずバスが停まってて。皆荷物積んで乗ってるから、僕も乗っちゃえと思って、運転手さんに荷物を預けました。「お前は何のホテルだ」みたいな事を言ってきたから「クルムス」と答えると「分かった!」みたいな事を言われて、5ユーロ払いました。ホテルまで乗せてくれるみたい。空港から街まで離れてる事すら知らなかったや。

15分くらい走ってると街が見えてきた。さすが州都。結構栄えてる。丁度いい。

ホテルに到着。カードキーをもらって部屋へトランクを運びました。フィンランドはチップは一般的じゃないから自分で運ぶんですね。気持ちが楽。部屋は少し古くてシンプルでした。ホテル中を温かくしてあるから階段も廊下も快適。

夜ご飯を食べなきゃいけないのでフロントに行ってロヴァニエミの地図をもらいました。バスからマクドナルドが見えたのでマクドナルドへ行く事に。 やっぱりすんごい寒い。-18℃って書いてあった。綺麗な街だなぁと思いながら雪道をコンバースでずんずん歩く。ところどころ道はツルツルで何度も滑りそうになって、やっぱ現地の人は何か歩くのうまいんかなと思って辺りを見回すと、いるわいるわ完全にズッコケてる人。尻餅までついて。ロヴァニエミにいる間に結構見た。他にも小銭をポロポロ雪の上に落としちゃう人や、看板にぶつかってる人もいて、まぁドジッ子ですね。あんまどこでも変わらないんだなと思いました。



色々雑貨屋覗いたり散歩しながら着きました。世界最北端マクドナルド。何か綺麗。ワクワクして入ると結構地元の客が多かったです。メニューを見てみるとやっぱ日本と少し違うみたい。ATELIAみたいなやつがセットって意味かと解釈して「コレのコレ」と言ってビックマックセットを注文しました。ちょっと高くてセットだと7ユーロくらいしたと思う。

席について、ストローが無かったので探すとゴミ箱の上に大量にありました。やっぱちょいちょい違う。まさか味もと思ったけどハンバーガーは似た感じでしたが、ポテトは油が多かったです。日本のポテトを食べてみろって思いました。国によって好みはあるんでしょうね。

僕が食べている間ジーッと見つめてくる若い青年がいて、何だろうと思ったけど、コーラを飲んでいてもジーッと見つめてくるから、ちょっと自分の原因を考えてみて何となく気付きました。自分は右耳に片耳ピアス。誰かから聞いた事があって、右耳に片耳ピアスにヒゲはゲイのサインらしいよって。あぁ完全にクリアしてる僕と思ったけど、迷信でしょと思ってて。彼を見ると見事彼も条件クリアしてて。目をそらさないから恐くなったので電波の無いゴミに等しい携帯をしばらくピコピコしてたら彼は帰りました。何だったのかよく分からなかったけどホテルへ戻りました。

フィンランドはサウナが有名らしく、ホテルにも共同サウナがあったのでチラっと覗いてみると、いるいる外国の裸の男達。恐くって、スーッとドアを閉めた。部屋へ戻りました。

部屋に戻って、あいつがやってきました。ホームシック。当たり前なんだけどどこ行っても外国人ばかりでどこ行っても日本語通じなくて、すっごく寂しかったんですよ。今思うと訳分かんないんだけど、寂しさを紛らわす為、日本でも行った事もないクラブへ行きました。
結局場所代の払い方も荷物の預け方も手こずり、悲しい気持ちになり、入ったもののビールを飲みながら持って来た小説を読むという意味不明の行動。めっちゃ周りは踊ってるのに一切見ずにひたすら本を読んでいました。「あいつ何してんだ」って後ろ指さされてるような気がして、慣れない味のビールを4杯飲んで、そそくさとクラブを出ました。



ホテルに戻ってもう1杯。あぁキーロパーどうやって行くか調べなきゃと思ってフロントのBarでまたビールを注文。バーテンダーに単語とジェスチャーで聞きました。簡単に通じて、バスターミナルから出ているバスで行くんだよと教えてもらいました。優しいなぁと思った時には結構酔っぱらってきていました。そしたらバーテンダーがコーヒーをサービスしてくれて。美味しかった。安心した。ありがとうと言って部屋に戻りました。シャワーを浴びて2:00就寝。

本当に今まで経験した事ない事が1日でドンときたから色んな感情が出て来ちゃった初日でした。でもこの日以降は全く寂しいとか思わなくなりました。コーヒーのおかげでしょうか。寝る時には不思議とウズウズしていました。



  

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2009年01月30日

1日目A 「出発。セグウェイで飛んでブーリン。」



やー。準備の話は終わって、ついに日記だわ!スラスラ書けるわって思ったんだけど、思ったより書いてた日記がキングオブ箇条書き。かじかんだ指で書いた部分なんて字っていうか、線。え、何語?って思った。解読にこんなに苦しむとは。もうね、どうしようもない部分は勘で書きましょそうしましょ。

とりあえず、元旦実家の田舎で5:30に元気に起きまして、お雑煮食べて、二時間前には空港で手続きしてね♪ってH.I.Sの姉ちゃんに言われていたので早めに行こうと思って、7:30にはセントレア空港に着きました。

とりあえず円をユーロに替えようかなと思ってUFJへ。いくら両替しようか検討もつかなかったので一応10万円を両替する事に。750ユーロになりました。100円が1ユーロだと思ってたので、何となく損した気分でした。

9:20に手続きが始まるという掲示板を見た時は8:00。急にやる事なくなっちゃってテラスで飛行機を見に行く事に。お〜あるわあるわ沢山の夢を乗せる飛行機‥とセグウェイ。警備員はセグウェイに乗る時代なんだね。すんげえ僕興奮しちゃって。僕に近づいてくる度に僕はシャッターを切る。さすがセグウェイだけあって、どこか誇らしげだ。欲しいなぁ。



もう嫌ってくらいセグウェイを見つめていたら9:20。搭乗手続きを済ませ、席は窓際を指定。トランクを預けて免税店へ行きました。タバコが安かったので1カートン買って、時間まで食堂でベーグルとコーヒーを飲んでダラダラしました。

そんときかな。ちょっと恐くなってきたのを覚えてます。なんだろうかな。恐かったな。

時間になったので17番ゲートへ。ゲートには外国人と日本人が半々くらい。1人だけの人っていなかった気がする。パスポート見せて、飛行機に乗って席へ行くと僕の隣は誰もいないって言われていたのに外国人の青年が座ってた。いきなり英会話レッスンかしらと思ったけどとりあえず僕も座り、青年と2人でボーっと座ってると何故か彼は別の席へ移動しました。うんそう。きっとお前の席はそこ!って思っときました。

いよいよ飛行機が動き出しまして、僕の初フライトが始まりました。何かしばらく僕はおいおいおいおいって言ってた。

機体が浮いたあとUターンするんだけど、窓が海だらけになるくらい傾いちゃって。おいおいおいおいって言ってた。雲の上って不思議やね。綺麗ね。じゅうたんみたい。とてもいらないじゅうたん。うん。あれはいらない。

しばらくすると映画とか見れるようになったので、まずアイアンマンを観ながら途中で寝て、ウォーリーを観ながら途中で寝ました。

機内食は2回あっておやつが1回。もう1回映画観ようと思ったけどやっぱ寝ちゃいそうな映画しかなかったから1度観て面白かったマジックアワーを観る事に。クスクス笑いながらクライマックスに向けてのいいシーンで向こうの時間15:10、ヘルシンキに到着。7時間の時差。

入国審査が、あって、荷物を全部篭にいれて、ゲートを通ったらブー!って鳴った。ブー!って思った。ポケットにもう電波の無い携帯がありました。外国人にあぁコレ!コレのせい!ってアピールしたんだけど、股間やらケツの穴やら足の指先までまさぐられて、ちょっと、げんなりしました。
くすぐったがりの僕には辛かった。モモを無駄にギュ!は無いよ。僕は誓ってモモには隠さないし隠せない。ギュ!ギュ!デヒャヒャヒャ!デヒャヒャヒャ!一気に笑い疲れました。ひっでえ奴らでした。

さて不安だったロヴァニエミ行きの飛行機えの乗り換えは、結構分かりやすくて、看板に日本語でも「乗り換え」って書いてあったのでそれに従って歩いていきました。

11Aゲート、すんごく遠かった。何空港って街?ってくらい遠かった。
もうね、いるわいるわ外国人。何か笑えてきちゃって、ニヤニヤしてた。ホント外国人ばかりの場所は初めてだったから。15:40すぐにゲートは開き、さあ飛行機だ!と思って階段降りたらそこにはバスがありました。

え?バス飛ぶの?と思ったけどギューギューに人が乗ってるからコレで飛行機まで行くのかと思って乗り込みました。別にそんなんしてくれなくても歩くのにぃと思ったけど、結構距離ありました。5分は乗ってたし。2kmはあった。空港って街?ってもう1回思った。酔っぱらいのおじさんがフィンランド語でずっと話しかけてきたけど。臭かったし訳分かんないので「ハハハ」で乗り切りました。焦った。

飛行機に到着。先の飛行機よりずっと小さくて、同じFINAIRだけどなんか、髪の毛とか落ちてるし、子供がイタズラで貼ったシールはあるし、機内食はポーンって投げる感じで渡されたり、何となく僕はこっちの飛行機の方が好きだと思った。気が楽。もうね、飛び立つ時なんてこっちは慣れたもんよ。恐くはなかった。



夕焼けが赤すぎて凄く綺麗でした。あんなに真っ黒な夜と真っ赤な夕焼けの幅の狭いグラデーションは初めて見た。飛行機が明るかったので写真はうまく撮れなかったんだけど。前に座ってる人はどうしても撮りたかったみたいで、窓に張り付いて、手でカメラを隠したり服を頭から被ったりしてどうにか頑張ってたけど駄目だったみたい。そして17:35。北極圏ロヴァニエミ到着。無事トランクも届いて、外へ出ました。


  

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2009年01月28日

C 「荷造り。トナカイの鼻毛そよそよ。」

夏が過ぎて。




秋になり。




うっとーしい冬になりました。


さて。すみません今回も準備。
次から多分日記です。

とりあえず準備なんて前々からしてたら服とか困っちゃうし、2日前にやりました。

それまでにゆっくりパスポートやクレジットカードとかはしっかり準備しておいて、無い物は100均で買い、30日に一気に詰めました。

服をコンパクトにしてくれる圧縮袋や、デジカメとかが急な温度変化で壊れちゃうかもしれないのでジップロックとか、簡易スリッパとか、そういうやつは100円で探しました。

何より寒いのが大嫌いな僕は、北極圏は-30℃まで下がると聞いたのでホッカイロはトランクに入るだけ入れました。貼るやつ貼らないやつ小さいやつ靴用のやつ全部で50個以上持っていきました。余りました。でも絶対いる!すんげえ寒かったもん。寒いっていうかもう、すっごい、寒かった!やたら流れ星が流れたのも幻なんじゃないかってくらい頭が静かに狂ってきます。

下着も服も捨ててもいいようなやつの方がいいと思う。普段着持ってちゃったからお土産でかさばった。タオルとか捨てた。
テープとか輪ゴムとかは便利でした。



手荷物(リュック)
・パスポート ・航空券 ・カメラ ・ガイド本(地図とか) ・薬 ・iPod ・スリッパ ・財布(クレジットカード)


トランク
・ネームタグ(トランクに巻くやつ) ・バンダナ(尚かつ見分けがつくように。ヒモとしても役に立った) 
・洗面用具(歯ブラシは高級ホテルも無かったよ。タオルはあったよ。ティッシュもいる。鼻水が噴水のようになって凍りました) 
・パジャマみたいなもの(いらんかった) ・雪山用ブーツ(-20℃まで耐えれる頼もしい靴でした) 
・下着 ・服 ・雪山用ズボン ・マフラー手袋 ・ホッカイロ ・股引(いる!) ・ペヤングの焼そば(絶対いる!) ・あさげ 
・傘 ・小さいショルダー(特に荷物もなく地図を何度も見て歩くときはショルダーの方が出し入れが楽でした) 
・小説(いしいしんじと三島由紀夫) ・ジップロック

あとはメモ帳とかペンとか、あと、海外でもデジカメとかDSとか充電出来るようにする向こうのコンセントと変圧器。あとは耳かきが恋しくなりました。あと眉毛がばっさばっさ生えました。こんだけあれば余裕です。


と準備完了してトランク持って田舎にあるばあちゃんちで大晦日は年越しをしました。小林幸子だけ紅白見ました。おばあちゃんは拍手してました。これからも頑張れ、幸子。



起きたら出発です。わーい。


  

Posted by QK at 01:23 | Comments(0)